あの子だけが知ってるかわいい甘え方のルール

「女は甘えた方がかわいい」頭ではわかっている。

「おまえは全然甘えてこないからつまらない、〇〇は甘えてきてくれてうれしかった。
なんだか好かれている気がしなくてさみしい」

読むだけで自信がつくエッセイ

〇〇にあたるのは、彼が振られた彼女の名前だ。
わたしが一番聞きたくない名前を言われたことに対して、
彼のデリカシーのなさに腹を立てるよりも、
わたしは「甘えるってなに?」と頭が真っ白になった。

それほど、わたしの辞書には「甘える」という言葉がなかった。

もちろん、
この世に「甘える」という行為をしている人がいることは知っていた。
でも、その行為をわたしがする。という意味がわからない。

わたしの一番古い記憶は
「なぜ、また生まれてきてしまったんだろう?」と「この子をわたしが守らなくては!」

「この子」というのはわたしの弟だ。

大好きな彼の「甘えて」というリクエストに応えて、
「甘える」という行為を研究して実践してみた。

「なんか不自然だね。」
わたしの努力への評価はイマイチだった。

わたしは怖いのだ「甘える」という行為が、
その「怖い」という感情を抑えたまま行為としてする
「甘える」は不自然極まりなかったことだろう。

長女の恋愛は過酷だ。

その後わたしは、みごとだめんずばかりをひくことになる。
だめんずは「甘える」ことを要求しないからだ。

口では、「なんでこんなに男の趣味悪いんやろう。」と言っていた。
「甘えるくらいなら、ひどいめにあわされる方がマシ」心はそう叫んでいたのだろう。

「甘え上手な女がモテる」
と概念的には理解できても実行できない理由はここにあると思う。

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