都合のいい女 悪い女

都合のいい女 悪い女

「こういうことは、君みたいな人がいいんだよ。」

ネクタイを結びなおしながら彼は言った。

夜の風景

 

「それってどういう意味?」思わず出そうになった言葉を彼女は飲み込んだ。

聞かなくてもわかっている、
こんなところが彼の都合にいいんだろう。
いつもわたしは都合のいい女なのだ。

こんなことになるはずじゃなかった。

彼女は普通に恋愛して普通に結婚することを望んでいた。
わざわざ結婚できない人と関係を結ぶことなんて全く望んではいなかった。

だが、現実はそうはいかない。

もうすぐ結婚が決まった女友達が
浮気なんて絶対許さない!そんなことがわかったらすぐ別れる」
と言うのを聞いて、
「そこか、そこが違うのか」と愕然としたこともある。

自分が会いたくなったら「会いたい」と
相手の都合はお構いなしに「迎えに来て」
と彼に電話をするその友人が、彼女には違う動物に見えた。

彼女は相手の都合を確かめずに自分から「会いたい」ということができなかった。
相手の都合を確かめずに自分から「会いたい」というという概念が彼女にはなかった。

彼女の母親は、
女で一つで彼女を育てた。

家事だけではなく仕事もこなす彼女の母親はいつも忙しく不機嫌だった。

幼い彼女は、母親の機嫌をうかがってから母親に近づくことを覚えた。
自分の欲求よりも母親の機嫌を優先していた。
彼女は子どもの頃から都合のいい女だったのだ。

「男は頼られるのが好き」
「甘え上手が愛される」

頭では理解できた。でも、体がついてこない。

許可なく好きな人に近づくことは彼女には恐怖だ。
相手の機嫌よりも自分の機嫌を優先するなんて彼女には想像できないくらいの恐怖なのだ。

その恐怖が薄まった頃、彼女は都合のいい女から卒業するのだ。

 

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